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正直なところ、
いきていたんだよ、いきていたいんだよ
時々、誰にも知られたくない私がやってくる。
それは別に誰ってわけでも、それがどうってわけでもない。

時々悪いことをする、無邪気な私。
きっとそれがほんとうの私。

それは、ほんとうに大したことではないんだけど、うちは前も書いたように
兄弟仲が悪いから、お兄ちゃんの部屋に入るとか考えられないの。
怒られるから。もう大学生だし、お母さんが部屋の掃除に入るのも怒るよ。
だけど、私はお兄ちゃんが居ないとき、そっと足音を忍ばせて
お兄ちゃんのものに触れないようにして入った形跡を残さないように、部屋に入る。
そして、お兄ちゃんの部屋の片隅にある、幼少の頃のアルバムを開く。
そこには無邪気なままの私が、ありのままの姿で、写っている。

お兄ちゃんと仲のよかった頃の私。
お母さんと仲のよかった頃の私。
お父さんと仲のよかった頃の私。

別に、今お母さんやお父さんと仲が悪いわけじゃないけど、本音で接するなんて無理。
そんなことをしたら、きっとお父さんお母さんよりも、私が死んじゃう。
本音を偽り、隠すことで私が保たれているんだから。

だけど、時々私にほんとうの私が帰ってくることがある。
そのときの私は、ほんのり微笑む優しい心で無邪気なひと。
そのまま成長していればよかったのに、といつも思うけれど、それは出来なかった。
社会に適合して生きていかなくてはいけなかったから。
そのために自我を殺し、もう一つの顔を生み出して、やり過ごしていた。

それは、最初は学校の中だけだった。
学校の中ではいい顔をして、家に帰ったらお兄ちゃんとバカをして、喧嘩をして、
怒られて、大声で喚き叫んで、リセット。
次の日も、その繰り返し。
次第に学校で過ごす時間が増えて、他人と過ごす時間が増えるにしたがって、
ほんとうの私が消える時間が増えて、外面ばかりいい八方美人の私が自我として
凝り固まり始めた。
ほんとうは違うと、わかっていたのに。

そうしていくうちに、ほんとうの私としてお母さんにもお父さんにも接することが出来なくなって、
本音が言えなくなった。
だれにも。ほんとうに、だぁれにも。

気が付くと、傍に居たのは孤独だけだった。
孤独と友達になることにした。
それは最初受け入れづらいやつだったけど、次第に打ち解けて今では親友。
よっぽど誰かと居るよりか、孤独のほうが居心地がいい。
本音を言わなくていい。
愛想笑いでごまかせばいい。
それを外面でやっていればどうにかなる。
そうして、孤独と時間を共にして心を解きほぐす。
それだけでよかった。

だけど、高校生になって、それだけでは足りなくなった。
神経が過敏になった。
人目が気になった。
おとなしい子になった。
ほんとうの姿を曝け出すなど、無理になった。

それでも明るく楽しもうと、髪にかわいいゴムをして学校へ行った。
友達が「かわいいね、それ」と褒めてくれた。
意気揚々と教室に入ると、クラスの男子が何かを笑っている。
気にしないことにして、かばんから教科書を出し、ロッカーへ入れに行った。
笑われているのが、わたしだ、と、きづいた。

「見ろよあれ」
「え、どれ?」
「ほら、あれ」
「うわ、なにあれ、なに勘違いしとん」
「写メ撮ろう」
「俺も、まじウケる」
「メール送ろうや」

そんな会話が聞こえて、横目でそいつらを見た。
そいつらは笑いながら目をそらす。
確信した。
わたしが、このゴムをしているから、からかわれているのだ。
おとなしいやつが、さえないやつが、なにかんちがいしているんだ。
私は猛烈に自分にも、あいつらにも腹が立って、恥ずかしくなって
そそくさとロッカーに教科書を入れ、ゴムを解いた。
そしてそいつらに一瞥をくれて、席に戻った。

きっと、これが学校に行けなくなったきっかけ。

高校生活が始まったばかりの4月。
高校生活というものに夢を抱いていた私が一挙に崩壊していった。
一生懸命気を張って、頑張っていた私が、壊れた。

それから、時々お腹が痛くなるようになった。
授業を抜けることも多くなった。
そして、お腹の痛みに耐えて音楽の授業に出たとき、またしても事件が起こった。
過敏性腸症候群のせいで、おならが出た。恥ずかしくて死にそうだった。
みんなが顔を見合わせて笑っている。下を向いて。笑いを堪えようと必死で。
でも笑っている。犯人が私だと、気付かれた。
休憩時間には大きな声で男子が笑いながら話す。
私は居た堪れない気持ちになって、2時間ある音楽の授業を1時間で逃げた。
そのあとの授業も出なかった。4時間目に教室へ上がると、男子が笑っている。
「来たぞ」そんな会話があったかどうかわからないけど、みんなこっちを見ている。
恥ずかしさに負けるわけにはいかない。
私は、絶対に、いい大学へ行って、みんなを見返してやるんだ。
胸を張って教室へ入って、何事もなかったかのように振舞うのが精一杯だった。
4時間目が終わって、お弁当の時間も、男子はその話題で持ちきりだった。
私は、お腹が痛くて、ご飯が食べられなかった。
それでも友達は知らない。だから、大丈夫?どこか具合悪い?と尋ねる。
「気分が悪いから、いいや、ちょっと保健室行ってくる。」
早々にそこから退散しなければ、泣き喚いて男子を殴ってしまいそうだったから。
勝てるわけ無いけど。本気で殴ってやりたかった。
でも、そうすればそれで私が犯人だと認めることになるから、やらなかった。
私はそこまで愚かじゃない。

何日か経って、みんな忘れて、私もふつうでいられるようになった。
だけど、今までに増して神経過敏になって、人目が気になって、怖くなっていた。
とにかく、何をするのも人の目が怖い。
恥ずかしいことばかり起こる。
もう、学校が苦痛で苦痛で仕方なかった。
家に帰るとストレスでお菓子ばかり食べて太った。
そうして学校が苦痛になってもずっと頑張り続けたのに、2年の2学期にぷつんと
張っていた気も、何もかもが途切れて、休みが増えて、引きこもった。
そして2006年9月、私は、社会不安障害と診断されたんだ。

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